栗は洋菓子と和菓子、どちらの種類のスイーツにも材料としてよく使われていますよね。
洋菓子ならモンブランやマロングラッセ、和菓子なら栗蒸し羊羹や栗きんとん、栗まんじゅうなど、美味しい栗スイーツがたくさんあります。
私は和洋問わず色々な栗スイーツが大好きなのですが、今回はそんな栗についてお話しようと思います。
日本人に馴染みのある【マロン】という言葉
マロングラッセやマロンタルトなどのスイーツ名で使われているように、マロンという言葉は日本人にとっても馴染み深いですよね。
またスターバックスコーヒージャパンでも季節限定ドリンクのフレーバーやペイストリーにマロン(marron)という言葉が使用されているので英語だと勘違いしてしまいそうになりますが、マロンはフランス語から来ている外来語です。
フランス語だとマロンではなくマホンっぽく聞こえる気がしますが、フランス語のrの発音は独特なので難しいです。
栗は英語だとchestnut
一方、英語では栗をchestnutと言います。ナッツ類であることがわかりやすいですね。
それにしても、アメリカ発祥のスターバックスで、ペイストリーの英語表記がchestnutを差し置きmarronとフランス語で書かれていたのがとても不思議です。
うーん、スターバックスコーヒージャパンとしての戦略なのでしょうか?
(もしかしたら英語圏でもmarronが浸透しているのかと思いアメリカ人夫に聞いてみましたが、アメリカ人はmarronと言われても一体何のことだかわからないらしいです……。)
その他のナッツの英語名一覧表
まぁ、表記がどうであろうと栗が美味しいことに変わりはありません。
せっかくなので(?) ナッツ類の英語表記をまとめてみることにしました。
[※ピーナッツ(落花生)は厳密に言うと木の実ではありませんが、名前にナッツと付いているので、一応リストに入れてあります。]
カシューナッツとピーカンナッツはそれぞれ英語でcashewとpecanと言います。
「cashewとpecanの後に”nut”は付かないの?」と私は思いましたが、アメリカ人の夫曰く、almondと同様にcashewとpecanという部分の言葉だけでナッツであることが周知されているため、nutと付いていなくても英語話者に通じるそうです。
逆に、nutを付け加えても意味は変わらないので問題ありません。
なぜ英語ではchestnutと言うのか? 英単語のchestと関係している?
英語を勉強している方は、もしかしたらchestnutを見て「nutの部分はいいとして、なぜchestなの?chestには胸郭や大きくて頑丈な箱という意味があるけど?」と疑問に思うかもしれません。
私も知らなかったので、調べてみることにしました。すると、chestnutとchestは語源が異なることがわかりました。
chestnutとchestの語源比較
どうやら元々chestには胸という意味は無かったようです。
それが、肋骨=心臓を収める箱(重要な臓器である心臓は肋骨に守られている)とみなした比喩によって、肋骨が位置する胸郭の意味がchestに加わったようです。
“Chest”と聞いてネイティブスピーカーが最初に思い浮かべるものは?
英単語のchestを調べていたら、ふとディズニー映画の『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』(原題Pirates of the Caribbean: Dead Man’s Chest)を思い出しました。
デイヴィ・ジョーンズの心臓が入ったチェストがストーリーの鍵となるのですが、私はこの時chest = 胸郭 という意味しか知らなかったので、デッドマンズ・チェストが箱を指しているとわかった時は驚きました。
語源的には箱の意味が先に誕生したのに、多くの英和辞書には胸(郭)の意味が最初に記載されていて面白いですね。
夫
chestという単語だけを聞いたら、まず胸郭のことだと思うよ。だって一般家庭には(宝箱のような)chestは無いでしょ?
わたし
なるほどー。胸郭の意味で(chestという単語が)使用される頻度が高いから辞書の最初に記載されていたんだね。※
※語義(言葉の意味)が記載される順番は、辞書によって異なるそうです。
一般的な語義の後に専門的な語義の記述があったり、語源に近い意味から記載されていたりする場合もあるみたいです。気になる方は、お手持ちの辞書の凡例を読んでみてください。
最後に
最後は話が栗から逸れてしまいましたが、読んでくださった皆様にmarron(マロン)はフランス語、英語ではchestnutだとお伝えできたら嬉しいです!
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