ここ数年の日本における訪日外国人、及び在留外国人の増加はニュース番組でも取り上げられる程になりましたね。
在留外国人が増えることによって国際結婚の件数も増加しているのかと思いきや、どうやら違うみたいです。
最新のデータでは無いのですが、厚生労働省の「人口動態調査」では、日本における国際結婚は2006年の4.5万件(6.1%)がピーク、その後は減少しており近年では約2万件、約3.5%程度で推移しているそうです。
日本では国際結婚はまだ珍しいので、日本人同士の結婚式や披露宴に比べると情報量がかなり限られていますよね。
アメリカ人夫と結婚した私も、「海外ゲストへの招待状は国際郵便?」「披露宴の司会は二か国語できる人じゃなきゃダメなの?」「両親への手紙は日本語と英語の2パターン準備する?」など色々と悩み、インターネットで国際結婚の先輩方のブログを読み漁ったりしたものです。
私自身にとっては、悩んだり不安を感じたりしながら準備をした結婚式と披露宴でしたが、今では素晴らしい思い出となり本当に良い経験だったと感じています。
これから結婚式や披露宴を日本で行うことを検討している国際カップルの皆様にとって少しでも参考になればと思い、ブログ記事を書くことにしました。
少し長くなってしまいましたので、パート1(事前準備について)とパート2(結婚式と披露宴について)の2回に分けております。それでは、パート1をどうぞ♪
(※本記事には広告が含まれております。)
結婚式と披露宴はどの国で行う?
結婚式を考えている国際カップルが最初に考えなければならないのは、どの国で結婚式・披露宴を行うか?ですよね。
妻の母国、夫の母国、もしくはどちらでも無い第三の国、という選択肢もあり得ます。
私の母国である日本、夫の母国であるアメリカと2つの選択肢を考えましたが、私たち夫婦が現在暮らしている日本(東京)で結婚式と披露宴を行うことにしました。
国際カップルの中には、妻の母国と夫の母国の両方、つまり結婚式を2回挙げる方もいらっしゃいますが、私たち夫婦は日本での1回のみにしました。
場所を日本に決めた最大の理由は、
- 日本に住んでいるので準備が容易にできること
- (主に私側の)招待客の負担を考慮
この上記2点が決め手だったように思います。
アメリカで挙式をする場合、日本から両親や妹夫婦を呼ぶことはできても、スケジュールの都合や交通費など費用の負担を考えると親戚や学生時代の友人たちに来てもらうのは非常に難しいと思いました。
その一方で、夫の友人たちは有給休暇を取りやすい会社に勤めている人が多く、旅行も兼ねて日本に行ってみたい!と言ってくれたので、「それならアメリカから日本に来てもらおう!」となった訳です。
結婚式のスタイルは?
日本の結婚式には、神前式、仏前式、人前式、教会式(キリスト教式)など様々なスタイルがありますよね。
私たち夫婦は、「日本で挙式するのだから日本らしく神前式にしよう!」と即決でした。
私自身、白無垢への憧れもありましたし、アメリカから参加してくれるゲストへのおもてなしの一環として日本文化を体験してもらうのも良い考えだと思ったからです。

式場選びは?
結婚式のスタイルによっては式場の選択肢が有り過ぎて、選ぶのに苦戦するカップルも多いと聞きます。ブライダルフェアに足を運んだり、結婚式場の見学に何か所も行ったり……
私自身、「なかなか式場が決められなかったらどうしよう?」と心配していましたが、結婚式のスタイルを神前式に限定すると、選択肢を絞るのがとても簡単でした!
- 東京にある
- 結婚式と披露宴を同じ敷地内の建物で行うことができる
- 55人以上の受け入れが可能
上記3点の条件を満たした神社の一つに「東京大神宮」がありました。
東京大神宮は、縁結びで有名な神社であり、最初の神前式結婚式が行われた神社でもあります。(明治33年、当時は日比谷大神宮という名称でした。)

https://www.tokyodaijingu.or.jp/kekkon (東京大神宮 公式ウェブサイト)
東京大神宮の結婚相談・サービスの窓口であるマツヤサロン(東京大神宮に隣接)へ見学に行った結果、私も夫も気に入ったので、東京大神宮で挙式を行うことに決めました。
結婚式・披露宴で、個人的に特に良かったと思う点を3つご紹介したいと思います。
利便性
マツヤサロンがある受付・披露宴会場の建物と東京大神宮の拝殿が渡り廊下で繋がっているので、雨天時でも大丈夫です。
挙式当日、ゲストは受付を済ませて、この渡り廊下を通ってロビーから拝殿へ向かいます。
新郎新婦と親族はマツヤサロンの建物から一旦外に出て、少し境内を歩いて正面から拝殿に入ります。(雨天の際には、他のゲストたちと同様で外に出ることなく、渡り廊下を通って拝殿へ向かいます。)
日本らしさを感じるサービスや演出
新郎新婦による鏡開きや、ゲストの名前を印字した一合升のサービスがあり、アメリカ人ゲストからとても好評でした。
この升は席札として使用後、乾杯でも使いますし、ゲストのお土産として持ち帰ってもらえます。(アルファベットの対応は可能でしたが、もしかしたら言語によって対応の可否が分かれるかもしれません。)


また、ウェディングケーキをダルマのデザインにするというオプションも選ぶことができます。
難点として、ダルマケーキだと平面で一段しかないのでゲストから若干わかりにくいですし、ウェディングケーキは3段以上が良い!と思っていたので、このオプションは選択しませんでした。
和洋折衷のコース料理
結婚披露宴で和洋折衷のコース料理が選べる点が良かったです。試食会があったので参加したのですが、料理もデザートもボリュームが丁度良く、味も美味しかったです。
和食のみの懐石料理はとても日本らしいのですが、アメリカ人ゲストの好みが不安でした。その点、和洋折衷のコースでは洋食も何品か含まれているので大丈夫だろうと。笑
アメリカ人ゲストの中には、小麦粉アレルギーや生魚が食べられない人もいたのですが、個別に対応してもらえて安心しました。(追加料金などは発生しませんでした。)



海外ゲストに対する配慮 (準備段階編)
日本人同士の結婚式でも、結婚式に参列してくれる招待客への配慮は大切ですよね。
海外からゲストを招くとなると言語の問題だけでなく、文化や習慣も関係してくるので、新郎新婦は至る所に気を配らなくてはならず、大変だと思います。
私たち夫婦の一例ではありますが、特に日本で結婚式をすることを検討している国際カップルの方々は疑問に思うのではないかという点をいくつかピックアップしてみました。
招待状について
国際郵便(定形郵便物)でアメリカに招待状を送ることも検討しましたが、マツヤサロンで作成してもらえる招待状は日本語表記のみでした。
自分たちで英語版の招待状を一から作成する時間も気力も無かったので、結婚式・披露宴の日時や場所、服装等ついての連絡は夫からアメリカ人ゲストへメールで連絡してもらいました。(日本人招待客には招待状を郵送しています。)
ご祝儀について
アメリカ人ゲストの方々には、飛行機代やホテル代などの滞在費をゲスト自身で負担してもらう事に了承をいただいた上で、ご招待しました。
日本ではwedding registry(もしくはウェディングリストやウィッシュリストとも呼ばれます)*¹が無い代わりに、新郎新婦へご祝儀を送る習慣があることを説明し、「海外ゲストからはご祝儀をいただきません」と事前にお伝えしました。
*¹新郎新婦の欲しいものリストのことです。結婚式の参列者はリストに記載されたプレゼントの中から自分の予算に合ったものを選んで贈ることができます。 Wedding Gift Registry Book: Bridal Shower Log (Amazonリンク)
ただ、結婚式当日の流れを考えた時、日本人ゲストは受付で名前を記帳しご祝儀袋を手渡すという作業があるのにアメリカ人ゲストは名前を書くだけなのは、日本人ゲストから変に思われるかも?と若干の不安がありました。
また、氏名の記載がある物を受け取った方が受付担当の友人がゲストの名前を確認しやすいと思ったので、アメリカ人ゲストの方々には、新郎新婦への手紙を書いて受付で渡してもらうことにしました。
ゲストにお手数をかけてしまうのに変わりは無いのですが、立派なグリーティングカードではなく簡素な物で構わないという旨も事前にお伝えしました。
席次(席順)について
日本では披露宴の席次について決まりがあり、新郎新婦に近い上座は会社の上司や恩師、一番遠い下座は家族や親族が座ることが一般的ですよね。
このルールを夫に説明すると、

アメリカ人夫
「なぜ自分の晴れ姿を一番見せたい家族が最も遠い席なのか理解できない!!」
と険悪なムードになってしまいました……
家族・親族が末席なのは、結婚式を開いておもてなしをする側という意識が日本人にあるからなのですが、アメリカでは自分の両親も新郎新婦がもてなす対象なので、夫の言い分も理解できます。
そこで、日本のルールは新郎側の席次には反映させないことで納得してもらいました。夫の家族は上座に座ることになりましたが、私は日本式のルールに従って会社の上司や先輩方の席を上座にしましたよ。
お品書き(メニュー表)について
披露宴で提供されるコース料理のお品書きについても、招待状と同様にマツヤサロンでは日本語表記のみ対応可能だったので、自分たちで英語のメニュー表を用意する必要がありました。
日本語の料理名を英訳しただけでは海外ゲストがピンと来ないだろうと思い、わかる範囲で調理方法と材料を併せて英語で記載することにしました。
結婚式の披露宴に参加したことのある方はお気付きかと思いますが、メニュー表って結構上質な紙に印刷されていますし、デザインも素敵なものが多いですよね。
「Wordで作成してペラペラの用紙にプリントアウトしただけではダメなのでは?!」と不安になった私。
お洒落なレターセット(クリーム色)を購入しクローバーのシールを貼り、一枚一枚に手書きでメニューの詳細を英語で書くことにしたものの、途中で力が尽きてしまい海外ゲスト16名分を準備することができませんでした。

アメリカ人ゲストは3つのテーブル席に分かれて座ってもらうので、1テーブルに2つのメニュー表を用意するのが精一杯でした。(必然的に回し読みをしてもらうことに。実際には、スマホで写真を撮って次の人にメニュー表を回してくれていたので助かりました。)
結婚式後に思ったのですが、Wordで作成する際に文字の色を変えたり、お花や植物の絵を挿入したりしてカラー印刷したものを色紙に貼れば良かったです。
ウェルカムボードについて
特に用意はしませんでした。友人たちの結婚式に参加する度に、オリジナリティがある素敵なウェルカムボードを見てきましたが、不器用な私にはウェルカムボードを手作りするという選択肢は思い浮かばなかったのです。
かと言って、高いお金を払って夫婦の似顔絵をプロのイラストレーターに書いてもらったり、友人に作成を依頼したりするのも躊躇いがあったので、「いっそ無くてもいいや!」と思い切りました。
結果的には、結婚披露宴でゲストに手渡しするプチギフトとそれに付随してきた装飾をそのまま飾ることでウェルカムボードのスペース(?)を埋めたような感じです。

手先が器用な方、センスのある方、ゲストをもっと喜ばせたい方、当日に他の荷物一式と一緒に持ち帰れる方はウェルカムボードを工夫してみるのも良いかと思います。
ゲストの引き出について
日本人ゲストへはカタログギフトとお菓子の詰め合わせを用意しましたが、カタログギフトのアイテムをアメリカには発送できないですし、カタログ自体もなかなか重いので、アメリカ人ゲスト用に引き出物の中身を変えることにしました。
- 日本人ゲスト
- カタログギフト+お菓子の詰め合わせ+ゲストの名前入り一合升+お箸
- アメリカ人ゲスト
- 和柄のミニタオル+お菓子の詰め合わせ+ゲストの名前入り一合升+お箸
ご祝儀について (予想外の出来事)
驚いたことに、アメリカ人ゲスト16名のうち、日本のご祝儀文化を気遣ってかどうかわかりませんが7名が手紙に紙幣(アメリカドル札)を同封してくれていました。
金額は日本円にすると約5,000円~1万円だったのですが、そのうち1名がなんと日本札できっちり3万円を包んでくれたのです。
結婚披露宴後、式場への支払いの為にご祝儀を開封していた私は夫と相談し、「ゲストがアメリカに帰国する前にお礼をしなくては!」と急遽カラオケパーティーをすることになりました。
ご祝儀を包んでくれたかどうかに限らずアメリカ人ゲストには全員声をかけ、参加できる人だけ参加してもらいました。(海外ゲストからのご祝儀をカラオケでかかった費用に当てさせてもらいました。)
まとめ
パート1(事前準備編)についてはここまでです。
正直、結婚式の準備ってウェルカムボードを用意したりゲスト一人一人にお手紙を書いたりしなければ、そこまで大変じゃないだろうと甘くみていたのですが、意外と準備をしなくてはいけない事が多くてビックリでした。
また、ウェディングプランナーさんとのミーティングも5回位あったのですが、当時夫の日本語能力はリスニング・スピーキング共にあまり高くなく、私が毎回通訳をしなければいけなかったのも少し負担でした。
でも英語で説明をすることで夫にもオプションの内容や費用について納得してもらい、二人で準備を進めるという意識を持ってもらいたかったので必要な時間だったと思います。
日本に長く住んでいて、日本語がペラペラだったり、漢字の読み書きが得意だったりする外国人配偶者の方であれば、もっと積極的に結婚式の準備に協力してもらえて良いのかな~なんて思ったりもしましたが。
あと、衣装選びや試着などの時間も結構楽しかったので、これから結婚式を行う国際カップルの方々には準備段階も含めてパートナーと素敵な思い出を作ってほしいです!
次回、パート2では東京大神宮での結婚式と披露宴について海外ゲストへの配慮した点と併せてご紹介したいと思います。
