日本では食品表示法の食品表示基準により、美味しく食べられる期限を賞味期限、いたみやすい食品を安全に食べられる期限を消費期限と商品に記載することが定められています。
(どちらも未開封の状態で、商品の表示通りに保存されている場合です。)
品質の劣化が特に早いお弁当やお惣菜などは、消費期限は年月日に加えて時間の表示もありますよね。
一方、賞味期限については、製造された日から賞味期限が3か月を超える場合、表示は年月までで良いとされています。
ではアメリカの場合、どうなのでしょうか? 賞味期限と消費期限の英語表示に加え、その他の食品表示について注意点をまとめてみました。
これから旅行や留学でアメリカに行く予定がある方にとって少しでも参考になれば幸いです♪
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賞味期限や消費期限に該当する英語は?
実は意外に思われるかもしれませんが、アメリカの連邦レベルでは乳幼児用ミルク(粉ミルク)を除いて食品の賞味期限や消費期限の表示義務がありません。
連邦レベルとはアメリカ合衆国全体のことを指していますので、国として賞味期限や消費期限の表示義務が無いだけであって、州ごとに規制があります。
その為、アメリカ国内では賞味期限・消費期限に該当する英語表現が統一されておらず、いくつか異なる表記の仕方が存在します。
アメリカで見かける賞味期限の表記
- BEST BY
- BEST BEFORE
- BEST IF USED BY

アメリカで見かける消費期限の表記
- EXPIRATION
- EXPIRY
- EXP
- USED BY
アメリカの食品表示はわかりにくい?注意点4つ
少し写真が見にくいかもしれませんが、ハワイ土産として友人にもらったマカダミアナッツチョコレートを例にしてお伝えしようと思います。

※NET WTとはNET WEIGHTの略で、正味重量のことです。袋など包装を除いた中身だけの重さを指していますので、この場合マカダミアナッツチョコレートが793g入っていることを表しています。
注意点その1 kcalのk(キロ)部分が省略されている

パッケージ裏面の一番上に書かれているNutrition Factsとは、日本語では栄養成分表示のことです。
大きな字でCalories 150と書いてあります。
「えっマカデミアナッツチョコレートが一袋に793gも入っているのに、たったの150カロリーなの?!」と思いますよね?
いいえ、騙されてはいけません!
アメリカではキロカロリー(kcal)のことを、単にカロリー(cal)と表記することが一般的です。
つまり、このマカダミアナッツチョコレート150calは日本だと150kcalです。
うっかり、「150calなんだから千倍食べても150kcal!」だと思ってしまうと大変なことになってしまいます!
注意点その2 栄養素の表示が商品の全量分ではない
Nutrition Factsの下にはこのような英語が表記されています。
- 28 servings per container
- Serving Size 1 oz (28g / about 8 pcs.)
- Amount Per Servings
- Calories 150
Amount Per Servingの部分に注目してほしいのですが、表示されている栄養素はこの「1回分当たり」に該当する分量のものです。
Serving sizeは商品によって異なっており、このチョコレートの場合は、
- Serving size 1oz (28g / about 8 pcs.)
- =1回分当たり 1オンス(28g / おおよそチョコレート8粒分)
つまり、カロリー150(k)cal分と表示されている栄養素はチョコレートを8粒分に相当するということです。
それでは一袋分、マカダミアナッツチョコレート全量の栄養素はどうなのでしょうか?
28 servings per containerと記載がありますね。
1袋当たり28回分ということなので、1回分の栄養素×28をすれば、1袋に入っている全量の栄養素を計算することができます。
カロリー部分を計算すると、Calories 150 × 28 = 4,200 kcal となりますので、超高カロリー!!
注意点その3 「開封後はお早めにお召し上がりください」が存在しない?!
日本では食品に「開封後はお早めにお召し上がりください」等の文言が表示されていることが多いですよね。
賞味期限や消費期限は未開封の状態が前提となっているので、一度商品を開封した後は、なるべく早く食べ切った方が良いという考えが浸透していると思います。
しかしアメリカの食品には、この「開封後はお早めに」という文言がありません。
その為、私のアメリカ人夫や友人たちは、賞味期限=商品の開封前・開封後に関わらず、美味しく食べられる期限だと認識していました!
商品の開封後は、食品が空気に触れて酸化が始まったり、湿気で触感が変わってしまったりするので、
「開封前と開封後の賞味期限が同じなんて有り得ない!」と私個人は思ってしまいますが……湿度の低い国に住んでいる人はあまり気にしないのでしょうか?
注意点その4 保存方法について表示義務が無い
日本では、食品の保存方法について保存条件を具体的に表示する義務がありますので、下記のような情報が商品のラベルに必ず書いてあります。
- 「直射日光、高温多湿を避け、涼しい場所で保存してください。」
- 「開封後は必ず冷蔵庫へ保管し、早めにお使いください。」
一方、アメリカの連邦レベルでは食品の保存方法について表示の義務はありません。
アメリカ人夫に確認をしたところ、製造会社によっては保存方法を表示している商品もあるそうです。
ただ、注意していただきたいのが、保存方法が書いてある場合でも未開封の状態であることが前提である点です。
以前アメリカで購入したピーナッツバターの商品ラベルには”NO REFRIGERATION NECESSARY” (冷蔵不要)と書いてあったので、夫は開封後もずーっと常温で保存していました。 (しかも食べ切るまでに2か月以上かかっていたような気が。)
その後、日本で購入したアメリカ産ビーナッツバターの日本語ラベルを見てビックリ!
- 保存方法
- 「直射日光、高温多湿を避け、常温で保存してください。
- 開封後は冷蔵庫で保存の上、お早めにお召し上がりください。」
夫も私も具合は悪くならなかったので一安心でしたが、ヒヤッとした瞬間でした……
余談ですが、私はSKIPPYピーナッツバター クリーミーがお気に入りです。 (夫はJIF派)
意外にも日本のピーナッツクリームより甘さ控えめで美味しいですよ! 輸入食品店だけでなく、スーパーマーケットで売られていることも多いので、オススメです♪
まとめ
賞味期限・消費期限の英語表記、そしてアメリカの食品表示に関する注意点について、いかがでしたでしょうか?
アメリカ流の栄養表示方法について、私は「量が多い製品については、食べる分のカロリーの計算がしやすくなって便利かも?」と肯定的に思いましたが、

夫
(パッと見で)カロリーを低く見せようとするアメリカの栄養表示よりも、日本のように全量の栄養表示をしている方が消費者にとって親切だと思う!
それに、多くのアメリカ人は1回分の量なんて気にせず、食べたい分を食べちゃってるよ! HAHAHA!
日本のように食品全量の栄養表示があった方が、「カロリーを摂り過ぎないようにしよう!」と消費者が意識しやすくなるから良いのではないか?というのが夫の意見でした。
日本では食べ切りサイズが一般的ですが、量が多くてサイズも大きいアメリカの食品の場合、全量の栄養表示は見るもの怖いくらいのカロリーになってしまいそうですね。
(ご興味のある方はアメリカのコストコビジネスセンターの記事もどうぞ♪)
最後に、アメリカの食品を購入したりもらったりした場合、皆様は食べる分量と保存方法について十分お気を付け下さい~!