私が好きな日本文化の一つは、家では靴を脱ぐことです。日本人にとっては当たり前の習慣ですよね!

私は、イギリスへの短期留学やアメリカでの滞在で土足文化を体験し、改めて靴を脱ぐ習慣の良さに気付きました。

家でも土足ということは、お手洗いも靴のまま、キッチンも靴のまま。もちろんカーペットの上も靴で歩きます。

「そんな環境で、赤ちゃんをハイハイさせるのか?」と疑問に思ったので、アメリカ人夫カルロスの意見を聞いてみました。

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第5話 土足文化と赤ちゃん

ブログNippon-gurashiのエッセイ4コマ漫画 第5話 土足文化と赤ちゃん

(英語版はこちら)

土足OKの家庭で育ったアメリカ人夫の見解

日本では、スリッパなどの室内履きを使用している家庭であっても、赤ちゃんを床で直接ハイハイさせるのに抵抗がある親御さんたちもいるのではないかと思います。

ましてや、外を歩いてきた靴でそのまま家に入り、その靴で床やカーペットの上を歩くとなると抵抗感は増しますよね。

(屋外の泥落としマットを使っても、外の汚れ全てが落ちる訳ではないですし……)

しかし、アメリカでは土足で歩いた床の上を赤ちゃんがハイハイするのは普通のことのようです。

カルロスの実家も基本的には土足。カルロスは床の埃や小さなゴミを時々口に入れるような赤ちゃん時代を過ごしていたそうです。

大きな病気にかかること無く元気に育ったので、

アメリカ人夫

「赤ちゃんの時に免疫力が付いたから、めったに風邪を引かないんだよ!」

と信じています。

確かに巷には、除菌し過ぎると免疫力の低下につながるといった情報もありますが、果たして土足の環境と免疫力の上昇は関係しているのでしょうか?

余談ですが、この漫画を描いた後、「免疫力」は日常会話の日本語として使われていても医学用語ではないことを初めて知りました。

医学的には単に「免疫」なのですね。

そして免疫は病原体などから体を守る力ではなく仕組み・機構・システムのことを指しているので、英語ではimmune systemと言います。

Episode – 5 Wearing shoes indoors

Episode 5に出てくる英語表現について

エッセイマンガの中で使用されている英語表現について、英単語の意味や英文法の解説を記載しています。

one of the 〇〇〇s = 〇〇〇のうちの1つ

one of the 名詞の複数形で、~のうちの1つという意味になります。

冠詞theの部分を所有核(my, your, our, their, her, hisなど)に変更することも可能です。

名詞の複数形が使われていても主語はあくまで1つの物を指しているので、後ろに続く動詞は単数形になることに注意が必要です。

  • 例文(1) : One of the team members did not take a physical checkup.
  • (そのチームのうちの一人は健康診断を受けませんでした。)

  • 例文(2) : One of my favorite Japanese bands is L’Arc~en~Ciel.
  • (私のお気に入りの日本のバンドの1つはラルクアンシエルです。)

漫画の中の表現では、〇〇〇sの説明部分が長いのですが、整理するとこんな感じです。

One of the customs was that people don’t take their shoes off at home.

(その習慣の1つは、人々が家で靴を脱がないことです。)

One of the customs that I couldn’t get used to was that people don’t take their shoes off at home.

(私が慣れなかった習慣の1つは、人々が家で靴を脱がないことです。)

One of the customs that I couldn’t get used to when I stayed in the U.S. was that people don’t take their shoes off at home.

(私がアメリカに滞在したときに(私が)慣れなかった習慣の1つは、人々が家で靴を脱がないことです。)

can 【助動詞】 の過去形 could

助動詞canの過去形はcouldです。

couldには「~することができた」という意味の他にも、

推量を表す「~だったかもしれない」「~した可能性がある」や仮定法の「~できていたら」などの意味もあります。

get + used to~と be動詞 + used to~の違いは?

このusedは動詞のuse(~を使う)ではなく、形容詞のusedです。

Be動詞 + used to + 名詞/動名詞(ing形) = ~に慣れている という意味になります。

(形容詞のusedには中古の という意味もあります。例 : a used car = 中古車)

漫画の中では、be動詞の代わりにgetが使われています。

get + used to + 名詞/動名詞(ing形)で、~に慣れる という意味です。

Be動詞+used to が「慣れている」という状態を表しているのに対し、get + used toは「慣れない状態から慣れる」と変化を表している点が異なります。

  • 例文(1) : I’m trying to get used to driving a new car.
  • (私は新しい車の運転に慣れようとしています。)

  • 例文(2) : I’m used to driving my father’s car.
  • (私は父の車を運転することに慣れています。)

主語 + used to~はどんな意味?

Be動詞 もしくは get + used to 名詞/動名詞(ing形) に似ている表現に、 主語 + used to + 動詞の原形があります。

こちらは、「以前はよく~したものだ」という過去の習慣を表すものです。

そして、動詞の原形の箇所にbe動詞が来ると「かつては~だった」という過去の状態を表すことができます。

  • 例文(1) : I used to drive my father’s car.
  • (昔はよく父の車を運転していました。)

  • 例文(2) : He is not as handsome as he used to be.
  • (彼はかつてほどハンサムではありません。)

  • 例文(3) : There used to be a Mexican restaurant here.
  • (ここにはかつてメキシコ料理のレストランがありました。)

take offの意味 (take 〇〇〇 off / take off 〇〇〇)

〇〇〇を取る、脱ぐ、外すという意味の句動詞です。

句動詞とは、動詞+副詞/前置詞で1つの動詞として機能するものです。

句動詞という言葉がピンとこなくても、熟語・成句・イディオムのいずれかなら耳にしたことがあるという人も多いのではないでしょうか?

漫画の中では、take their shoes offと “take + 物 + off” の語順になっていますが、 “take off + 物” でも大丈夫です。

ただし、it・this・that・themなどの代名詞の場合は、take off + 代名詞ではなく、take + 代名詞 + off の語順になります。

take off の余談

“take + 物 + off” “take + off + 物”のどちらでもよいのであれば、なぜ漫画内では “take+物+ off” の方を使っているのか、気になりませんか?

カルロス曰く、“take + 物 + off”丁寧な感じがして “take + off + 物”少し命令のような印象を受けるそうです。

あくまで個人的な感覚なので、他の英語ネイティブスピーカーは違う意見を持っているかもしれません。

very 【副詞】 を否定文で使うときの日本語訳

副詞のveryには とても・非常に といった意味があります。

しかし、否定語の後でveryが使われる場合、あまり・そんなに という意味に変わります。

そのため、漫画の中にある”it is not very commo”の部分は、「あまり一般的ではない」と訳すのが自然です。

  • 例文: I don’t like sushi very much.
    (私はお寿司があまり好きではありません。)

余談 Very Melon について

アニメ『金色のガッシュベル!!』が好きだった方なら、『ベリーメロン~私の心をつかんだ良いメロン~』という歌をご存知だと思います。

登場するキャラクターのビクトリームがメロンの美味しさに感動してメロンを称賛する歌です。

私はそれまで 副詞のvery +名詞 の表現に馴染みが無かった為、ベリーメロンの歌を聞いた際には「文法が間違っているのでは?」と感じてしまいました。

very + 名詞 は、「まさにその〇〇〇」と名詞の言葉を強調する表現で、通常はthe + very + 名詞 のように冠詞のtheが付くようです。

(the) very melonは日本語に訳すと「まさにそのメロン」って感じなんですね。

ちなみに、カルロスに意見を聞いてみたところ、メロンの味を強調しているように聞こえるそうです。

アメリカ人夫

僕は、「これぞ追い求めていたメロンの味!」ってニュアンスを感じたよ。


日常会話で使うとしたら、果物のメロン以外でメロンの味がする飲食物を飲んだり食べたりするときに“very melon”(すごくメロンの味がする) と言うのであれば、不自然ではないそうです。

commonとnormalの違いは?

形容詞のcommonには、普通の・平凡な・一般的な などの意味があります。

私は以前、普通という意味でnormalという英単語を使っていましたが、ネイティブスピーカーの感覚でnormalは正常の・標準の というニュアンスが強いそうです。

そのため、It is not normal.と言ってしまうと「正常ではない。(=異常)」と捉えられる可能性があるようです。

  • 例文(1) : That is a common spelling mistake.
  • {それはよくある綴りの間違い(=スペルミス)です。}

  • 例文(2) : It is normal for him not to eat breakfast.
  • (彼が朝食を食べないのは普通です。)

※スペルミスはよく使われている和製英語ですね。spellは動詞で (語を)つづる の意味を持ち、名詞だと呪文・おまじない といった意味になります。綴りという名詞の意味で使いたい場合はspellingが正しい英単語です。

日本語(カタカナ語)の「スペル」について

私が子ども英会話講師として勤務していたとき、何度かエリアリーダーと呼ばれる担当地区のリーダーが行うレッスンを見学させてもらいました。

英文法のクラスだったので、説明は全て日本語で行われていたのですが、エリアリーダーは「スペル」という言葉を連発していました。

前述のように「スペル」を名詞として使うと呪文の意味になってしまうので、

「スペルの代わりにスペリングと言うか、日本語で綴りと言った方が良いのではないでしょうか?」

と伝えようかと思いましたが、エリアリーダーという上の立場の人なので遠慮して言いませんでした…。

カタカナ語として(綴りの意味の)スペルが定着しているのは仕方がないことですが、あくまで英会話講師としては生徒に対して使わない方が良いですよね?

それとも、日本語として定着しているので、日本語の会話の中ではスペルと言っても良いのか…英会話講師をしている方、英会話講師の経験がある方のご意見を聞いてみたいです。

(子ども英会話講師の仕事に興味がある方はこちらの記事もどうぞ♪)

someの後ろにある名詞の省略

漫画の2コマ目にある英文は、本来であればsome Americans even lie down~という文になります。

なぜAmericansが省略されているかと言いますと、その前にMany Americansという主語が使われている文があり、何を指しているのか文脈で明らかなのでsomeの後ろの名詞(Americans)を省略しても通じるからです。

この場合、someは形容詞ではなく代名詞としての役割を持っています。

lie 【動詞】 の意味と同音異義語・同形異義語について

lieは私の苦手な英単語の1つです。同じく苦手意識を持っている人も多いかと思いますので、lieについての情報をまとめてみました。

苦手意識を持たれる理由は、ズバリ同じ綴りと発音の単語(同音異義語や同形異義語)があって紛らわしいから!だと思います。

実は、lieという英単語は2つあります。

①横たわる・横になる【動詞(自動詞)】の意味を持つ lieと、

②嘘を言う【動詞】・嘘【名詞】の意味を持つ lieです。

漫画の中で使われているlieは、①の方の意味で、“lie down on the bed” 日本語に訳すと「ベッドの上に横たわる」です。

そして、lie(横たわる)の過去形はlayになりますが、過去形の方にも同じ綴りと発音の動詞があります。

lay【動詞(他動詞)】意味は、~を横たえる・置く・(卵を)産むなどです。

自動詞と他動詞の違いはありますが、意味も「(自分が)横たわる」、「(何か)を横たえる」と似ているので余計に紛らわしいですよね。

現在形過去形過去分詞形備考
lie
(横たわる)
laylain自動詞
lie
(嘘を言う)
liedlied名詞 lie (嘘・偽り)
lay
(~を横たえる)
laidlaid他動詞

mind 【動詞】 の意味

英単語 mindには名詞と動詞があります。

名詞には、精神・心・考え事などの意味があり、動詞は 気にする・気をつける といった意味を持っています。

英語のDon’t mindが由来になった日本語の「ドンマイ」は、何か失敗をしてしまった人に対して「気にしないで」と励ましの意味合いで使いますよね。

この場合、英語では “Never mind.” を使います。

筆者

英語でDon’t mindは使わないの?

アメリカ人夫

例えば、家に友人を招待して「部屋が散らかっているけど気にしないで。」と言いたいときは、”Don’t mind our messy rooms.”と言っても大丈夫だよ。

筆者

Never mindとDon’t mindの違いは?

アメリカ人夫

Never mindはそれだけで使っても良いけど、Don’t mindは後ろに「何を気にしないのか」目的語が無いとネイティブスピーカーには違和感があるかな?

crawl 【動詞】 の意味

crawl(クロール)と聞くと、水泳のイメージが強くありませんか?

漫画3コマ目のセリフを見ると、「赤ちゃんが(スイミングプールで)クロールするの?」と一瞬思ってしまいそうになりますが、英語ではハイハイのこともcrawlと言います。

動詞のcrawlは、這う腹ばいで進む・クロールで泳ぐ という意味を持ちます。

名詞のcrawlは、徐行・(水泳の)クロールを意味します。

クロールは速い泳ぎ方の1つなので、赤ちゃんが這いずるのと水泳のクロールが同じ単語であることに私は疑問を持ちました。

その一方で、カルロスは日本語のハイハイという言葉に驚いたそうです。

日本語で「はい」は英語のYesですよね。

そのため、初めて聞いたときは、「はい x 2」で “Yes yes” の意味だと思ったらしいのです。

日本語のオノマトペには同じ言葉を繰り返すパターンが非常に多いですが、赤ちゃんが床を這いずる音ではなく繰り返し這いずるので「這い這い→ハイハイ」になったという説が有力らしいですよ。

関係副詞 howの用法

疑問副詞のhowは、どうやって・どのようにして のように方法や手段を表す他に、

(形容詞や副詞を伴って)どのくらい・どれ程 のように数量や程度を表します。

漫画の中で使われているhowは関係副詞で、~する方法 の意味を持ち名詞節を導きます。

参考書などによっては、先行詞のthe wayが省略されていると説明しているものもあります。

漫画4コマ目の文章を使って整理するとこんな感じです。

That is (the way) how babies in the U.S. get a stronger immune system.

(直訳 : それがアメリカの赤ちゃんがより強い免疫力を得る方法です。)

(意訳 : そのようにしてアメリカの赤ちゃんは強い免疫力をつけます。)

seriously 【副詞】 の意味

形容詞serious (真剣な・まじめな・重大な)の副詞がseriouslyです。

seriouslyの意味は、まじめに・重大に・深刻に などです。

日常会話においては、日本語の「マジで?」(最近の表現だと「ガチ?」でしょうか?) のように驚きや疑いを含んだ感じで “Seriously?” と疑問形で使うこともできます。

“Seriously?”は驚きが強い表現なので、目上の人ではなく友人同士の会話で使うのが好ましいようです。