前回のエッセイ漫画では、アメリカの土足文化と赤ちゃんのハイハイについてアメリカ人夫の見解をお伝えしました。


アメリカには家の中でも土足で過ごす家庭があれば、玄関で靴を脱ぐ家庭もあります。

今回は、アメリカの靴を脱ぐ家庭の玄関事情について私が個人的にモヤモヤしたことを描いてみました。

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第6話 境界線はどこ?

ブログNippon-gurashiのエッセイ漫画6話 境界線はどこ?

(英語版はこちら)

境界線を知りたがる理由は?

土足で歩く範囲と靴を脱いで歩く範囲、私がその境界線を知りたがる理由は、

他の人が土足で歩いた場所を靴下で歩きたくないから」です。

今までアメリカのカリフォルニア州にある家庭を何軒かおじゃまさせてもらいましたが、靴を脱ぐという家庭で来客用にスリッパなど室内履きを用意しているところはありませんでした。

家でスリッパを履く習慣が無い人は日本にも多くいるかと思います。

特に畳の部屋がメインの家ではスリッパを履いたり脱いだりするのが面倒なので、靴下や素足で過ごすのも納得です。

そんな日本とアメリカの決定的な違いは、家の玄関にハッキリとした境界線があるかないかです。

別に来客用のスリッパなんて無くても良いんですよ!

ただ、誰かが土足で歩いた場所を靴下で歩くことによって自分の靴下を汚したくないのは私だけではないハズ!

これはアメリカ人の家庭におじゃましたときだけではなく、私が他の国へ旅行に行ったときにも同じような思いをしました。

海外の国際空港でゲート型金属探知機を通る前などに靴を脱ぎ、そして靴下のまま歩かなくてはならないことが何度もあったのです。

空港職員は靴を履いて同じ場所を歩いているのに、乗客は靴下のまま歩かなくてはいけないなんて…どうしても私は抵抗を感じてしまいます。

(まぁ空港職員の方々が靴を履かずに靴下で勤務をしていたら、ビックリですよね。)

「靴下が汚れるから嫌―!そして汚い靴下のまま靴を履くのも嫌―!」と思いながらも、ルールには従うしかないのでガマンするのでした…。

Episode ー 6 Where is the border line?

Episode 6に出てくる英語表現について

エッセイマンガの中で使用されている英語表現について、英単語の意味や英文法の解説を記載しています。

someの後ろにある名詞の省略

漫画1コマ目の最初の英文は、繰り返しの内容が含まれるため, (カンマ)の後の文では色々と省略されています。

省略されている単語や文章を入れてみるとこんな感じです。

Some people take their shoes off at home, and some (people) don’t (take their shoes off at home) in the U.S.

,(カンマ)より前にsome peopleという主語が使われており、その後のsomeが何を指しているのか文脈で明らかなので ,(カンマ)の後にあるsomeの後ろの名詞 peopleは省略することが可能です。

don’tの後ろも「何をしないのか」が文脈でわかるため、省略されています。

「家で靴を脱ぐ人もいれば、しない人もいる。」日本語で考えるとちょっと違和感がありますが、しない人=靴をぬぐことをしない人だとすぐに推測できますよね。

なぜ単語や文章が省略されるのか?

英語では、同じ単語や表現の繰り返しを避ける傾向があります。

英検の英作文(エッセイ/意見論述)対策をしたことがある方は、「あー、そうそう」と思うかもしれません。

  • 同じ単語は繰り返さず、同義語を使う
  • 同じ表現は何度も使わず、別の表現に言い換える

テキストなどではよく上記のようなアドバイスが記載されていると思います。

実際にネイティブスピーカーはどう感じているのでしょう?

筆者

文章で同じ単語や表現を繰り返し使うと稚拙だとか、他の単語や表現を知らないのは教養が無いと思われるだとか…

それって本当なの?

アメリカ人夫

本当だよ!

まぁ、英語のネイティブスピーカーだからと言って、アメリカ人全員がきれいな文章を書ける訳じゃないからね。

apparently 【副詞】 の意味

形容詞apparent (明らかな・すぐにわかる)の副詞がapparentlyです。

apparentlyには、「どうやら~らしい」という意味があり、TVやSNSで見たり読んだりした情報、誰かから又聞きしたことを人に伝えるときなどに使えます。

  • 例文: Apparently the actor got divorced due to his cheating.
    (どうやらその俳優は不倫のせいで離婚したらしい。)

漫画の中で、「どうやらCOVID発生の後、(アメリカでは)家で靴を脱ぐ人の人数が増えたらしい」という表現を使った理由は、

①筆者が自分自身で人数の増加を調べた訳ではなくインターネット上から得た情報だから。

②インターネットの情報では、靴を脱ぐようになった人の統計をとった訳ではない。正確な増加人数は不明だけれど、増えていることには間違いないから。

もし、統計で正確な数字が出ているとしたら、apparentlyは使わずに情報元を書いていたと思います。

関係代名詞 whoの用法

疑問副詞のwhoは、”Who are you?” のように「誰」と人の氏名や素性などを尋ねる時に使います。

一方、関係副詞のwhoは、先行詞が人でwho以下の内容が先行詞である人物を詳しく説明する形になっています。

  • 例文 : He is a foreign technical intern trainee who came from Vietnam.
    (彼はベトナムから来た外国人技能実習生です。)

ちょっと長いのですが、先行詞はa foreign technical intern trainee (外国人技能実習生)で、whoの後ろcame from Vietnam(ベトナムから来た) がどんな外国人技能実習生なのかを詳しく説明しています。

increase 【動詞】の意味

動詞のincreaseには自動詞他動詞の両方があり、漫画の中で自動詞として使われています。

自動詞のincreaseは増える・増加する・高まる といった意味があり、

他動詞のincreaseは(数量などを)増やす・増大させる といった意味を持ちます。

  • 自動詞の例文 : His muscle mass increased due to heavy training.
  • (その激しいトレーニングのおかげで彼の筋肉量は増加した。)

  • 他動詞の例文 : He increased his muscle mass with heavy training.
  • (その激しいトレーニングによって彼は筋肉量を増やした。)

outbreak【名詞】 の意味とbreak outとの違い

outbreakは発生・勃発の意味を持つ名詞です。

通常は良い意味で使われず、戦争や火事、病気の流行など良くないことの発生に用いられます。

発生する・勃発する など動詞の場合にはbreak outという句動詞があります。

名詞のoutbreakと語順が逆になっているので少し紛らわしいですね。

文末の”or anything” と “or something” の違い

日本語の口語表現で「~か何か」という言い回しがありますよね。

ちょっとした推量や例示を表すときに便利な表現で、特に意識せずとも会話で使っている人が多いのではないでしょうか?

英語にも同じような表現があり、文末に or anything もしくは or somethingを付けることで「~か何か」を意味します。

基本的な使い分けは下記の表の通りです。

「~か何か」肯定文否定文疑問文
or anything
(間違いではないけど、ネイティブスピーカーには
違和感があるそうです)
or somethingX

筆者

疑問文ではor anything とor somethingの両方を使うことができるみたいだけど、何か意味に違いはあるの?

アメリカ人夫

anythingは広い範囲の「何か」で、somethingは狭い範囲の「何か」かな?

例えば、シチュエーションを夏の猛暑日だと仮定して、「水か何か必要ですか?」と言うときのor anything と or somethingの違いはこんな感じ。

  • 例文(1) : Do you need water or anything? (水か何か必要ですか?)
  • →or anythingの場合は、広い範囲の「何か」なので、この「何か」は飲み物以外の物である可能性があります。
  • 例えば、ハンディファンやネッククーラーなど身体を冷やすのを手助けする物かもしれません。

  • 例文(2) : Do you need water or something? (水か何か必要ですか?)
  • → or somethingの場合は、anythingに比べて狭い範囲の「何か」なので、水と同等の物=飲み物であると推測されます。
  • つまりこの「何か」は水以外の飲み物(麦茶やスポーツドリンクなど)を指していると思われます。

exactly【副詞】 の意味

形容詞exact(正確な・的確な)の副詞がexactlyです。

exactlyには 正確に・厳密に といった意味の他にも、会話では相槌としても使われます。

アメリカ人夫

Exactly! (その通り!)

漫画の中のようにwhereやその他の疑問詞(when, who, whichなど)の後にexactlyを付けると、疑問詞をさらに強調することができます。

ただし、言い方によっては、知りたいことが提示されないことへの苛立ちを表す表現にもなりますので、少し注意が必要です。

tell【動詞】 は「教える」という意味だけではない

教える・伝える といった意味の他に、tellには「~ということがわかる」という意味があります。

Time will tell.という慣用句は、直訳すると「時が教えるでしょう」ですが、日本語では「時が経てばわかる」と訳されます。

漫画3コマ目の中でtellが使われている文章は否定文なので、「~ということがわからない」となります。

I can’t tell how far I can go with my shoes on.

(どこまで靴を履いたまま行っていいのか私はわかりません。)

would【助動詞】 の仮定法

助動詞willの過去形、wouldの仮定法が漫画の4コマ目に出てきます。

~だろうに」「~であろうに」「~なのだが」のように日本語では訳され、現在の事実とは異なる仮定の話をするときに使える表現です。

「アメリカの住宅に日本の玄関のような段差があったら、境界線がわかりやすいだろうに」ということは、

「アメリカの住宅には日本の玄関のような段差がないので境界線がわからない」のが現実です。

obvious 【形容詞】 の意味

obviousは明らかな・わかりやすい・当然の などの意味を持つ形容詞です。

漫画4コマ目に使われている表現 “obvious at a glance” を日本語に訳すると、

ちらりと見ただけで明らかな = 一目でわかる = 一目瞭然 となります。

※glance【名詞】 一目・ちらりと見ること

entrance【名詞】 の意味

日本語でエントランスと言うと大きな建物にあるエントランスホールのように広間がある入り口を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?

英語のentrance(名詞)は入り口・玄関の意味で、商業ビルや施設の入り口だけでなく家の玄関にも使うことができる単語です。

また、入場・入学・入社・入会などの意味も持ち、入学(入社)試験をentrance examination、入場料をentrance feeと言います。

もう一つのentranceは? (同形異音異義語)

実は、entranceという英単語は2つあります。

一つは前述の名詞 entrance (入り口・玄関)で、もう一つは動詞のentrance(~を夢中にさせる・魅惑する)です。

スペリングは全く一緒ですが、名詞の方は最初のeにアクセント、動詞の方はaにアクセントがあるので、発音が異なります。

このように綴りは同じでも、発音と意味が異なる語を同形異音異義語(heteronym)と言います。

なぜこのような紛らわしい言葉が生まれたのでしょうか?

様々な理由があるそうですが、英語という言語の歴史において、

  • 複数の他言語から多くの言葉を借用したこと
  • 中世頃に母音の発音が大幅に変化したこと
  • スペリングの規則性が欠如していること

などが影響していると考えられているらしいです。

英単語のentranceの語源を調べてみると、それぞれ成り立ちは異なっているのに、偶然同じスペリングになってしまったようですね。

名詞のentrance (入口・玄関)  

動詞enter(入る) + -ance(名詞化の接尾辞)

動詞のentrance (~を夢中にさせる)

en(動詞化の接頭辞) + 名詞trance(夢うつつ・恍惚)

同形異音異義語の例

entrance以外の同形異音異義語の例をいくつかご紹介します。

英単語カタカナ読み品詞日本語の意味備考
bassベイス名詞低音
低音歌手[楽器]
bassバス名詞スズキ目ハタ科・クロマス科の魚の総称
tearティア―名詞tear 【動詞】
涙であふれる
tearテアー動詞(物を)引き裂く
引きちぎる
tear【名詞】
裂け目・割れ目・ほころび
windウィンド名詞
windワインド動詞曲がる・曲がりくねるwind【名詞】
曲がり・うねり・巻くこと