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たいてい洋菓子にはカタカナの名前が付いているので、ついつい英語でも同じ名前だと私は思ってしまいがちだったのですが、洋菓子の中には英語以外の外国語が由来となっているため注意しておきたいものもあります。
シュークリームもそのうちの一つであり、ご存じの方も多いと思いますが英語ではcream puffと言います。今回は英語のpuffの意味や、シュークリームの元となった言語などについてお伝えしようと思います。

シュークリームは英語でcream puff
creamの部分は日本語と同じですね。では、英語のpuffにはどのような意味があるのでしょうか?
puff 名詞(可算名詞)
1 (息・空気・煙などの)一吹き、ぷっと吹くこと、ぷっと吹く音
2 (タバコなどの)一服、一吸い、一吐き
3 ((ふつう複合語で))(クリーム・ジャムなどを詰めた)パイ皮、シュー皮、軽焼きケーキ
4 (袖(そで)・服・髪などの)膨らみ
5 (化粧の)パフ (powder puff)『ユースプログレッシブ英和辞典』(小学館)より引用
異なる意味がある中で、cream puffのpuffは上記の3に当たりますね。
ですが、日本で暮らしていると3ではなく、4か5の意味でpuffを使うことがほとんどだと思います。
ファッションが好きな方にとっては4に関連してパフスリーブがピンと来るかもしれませんし、普段メイクをする方には5のメイク用パフが一番馴染みのある言葉じゃないでしょうか?
(他におしろいたたきとも言うらしいのですが、私は日本語のおしろいたたきという言葉を知りませんでした。)
名前にpuffという言葉が使われているキャラクター
また、 ポケモンのプリンは英語ではJigglypuffと言います。
Jiggly(デザートのプリンがプルプル揺れる様子)+ puff(怒るとプクーっと膨れる感じ)でJigglypuffらしいのですが、日本語のプリンという名前には膨らむ要素が入っていないので言葉の違いが面白いですよね!
あと、ハリー・ポッターでもPigmy Puffという小さくてフワフワした魔法生物がロンの妹ジニーのペットとして登場しますが、こちらもフワフワの毛が膨らんでいるのでpuffと名前が付いているようです。
フランス語のchou a la créme
さて、puffの話が長くなってしまいましたが、話題をシュークリームに戻して、「日本語のシュークリームのシューは何語から来たのか?」についてお伝えしようと思います。
このシューは、フランス語のchou a la créme (シューアラクレム) が簡略化されたものらしいです。
crémeはクリームだとすぐにわかりますが、このchouは一体何でしょうか?
仏和辞典で調べてみると、下記の意味が出てきました。
chou (男性名詞) (英語cabbage)
① キャベツ
② シュー(キャベツ形の薄い皮のケーキ)
③ リボンの蝶結び『プチ・ロワイヤル仏和辞典』(旺文社)より引用
もしchou a la crémeを日本語に直訳したら、クリームのキャベツ、クリーム風キャベツあたりが妥当かもしれません。
英語話者にとって、シュークリーム=靴磨き用クリーム
また、インターネット上で和製英語の一覧表を調べたりすると、たいていシュークリームが記載されていることが多いのですが、和製英語と一口に言っても英語を母国語とする人に全く通じないものもあれば、本来の意味とは異なる意味に捉えられてしまうものがあります。
シュークリームは後者で、shoe cream (靴磨き用のクリーム)だと勘違いされてしまうのだとか……
(念の為、アメリカ人夫にも確認してみましたが、やはり革靴などに使用するクリームだと思ってしまうそうです。)
スーパーやコンビニで一番人気のスイーツはシュークリーム!
シュークリームについて記事を作成するにあたり、参考になりそうな資料を色々と探していたら興味深いデータを発見しました。
シュークリームなどの洋菓子製造の会社モンテールさんが毎年発表をしている集計データがあるのですが、スーパーやコンビニで販売されているスイーツの中で、シュークリームが17年連続一位に輝いたそうです!(参考 :株式会社モンテール スイーツ白書2024)
シュークリームはフォークやスプーンなどを使わず手軽に食べられますし、サイズ感もちょうどいいので、ついつい手が伸びてしまいますよね。
それでも、17年連続一位になる程人気があるとは知りませんでした。
アメリカでcream puffは一般的ではないスイーツ
日本では大人気のシュークリームですが、アメリカではどうなのかな?と思い、夫に聞いてみたところ、

夫
Hmm, I don’t think cream puffs are common in the U.S. It’s not easy to find a shop that sells cream puffs in the first place. The only shop I know is Beard Papa’s.
(うーん、アメリカだとシュークリームは一般的ではないね。そもそも売っているお店を見つけるのが簡単じゃないし。僕が知っている唯一のお店はビアードパパだね。)

わたし
確かにアメリカにもビアードパパがあるよね。日本の会社が海外で頑張っているのって、日本人として嬉しいし応援したくなるよ!

夫
What? Is Beard Papa’s from Japan? I had thought it’s an American company!
(えっ、ビアードパパって日本から来たの?ずっとアメリカの会社だと思ってた!)

わたし
No~!
実はビアードパパはアメリカでも事業を展開していて、今では43店舗もあるみたいです。
そのうち、16店舗がカリフォルニア州にあり、カリフォルニア出身の夫にとってビアードパパは身近なチェーン店という感じ?だったのでアメリカの会社だと思い込んでいたようです。
お気付きの方もいらっしゃると思いますが、ビアードパパの英語表記が日本語とちょっと違いますよね。
英語ではBeard Papaではなく、Beard Papa‘sとなっています。

よく見ると、下部分にある英語名も beard papa‘sになっています。
なぜ、ビアードパパは英語だとBeard Papa’sなのか?
あくまで夫の憶測になってしまうのですが、Beard Papa‘s(ビアードパパの)と所有格が付いていた方がアメリカ人の感覚としては「何かを売っている」というのがわかりやすいそうです。
具体例を挙げると、”Poly’s pies”や”Pink’s Hot Dogs”など、人の名前+所有格の’s + 食べ物 がお店の名前になっている飲食店(テイクアウト専門も含む)が多く、お店によっては食べ物に該当する部分を省略して店名にしている所も多いのだとか。
Denny’sやCoco’sが良い例ですね!
余談: アニメ『マッシュル-MASHLE-』第一期のエンディングソング
またしても余談になってしまいますが、私には気になることが一つありまして。
アニメ『マッシュル-MASHLE-』の第一期エンディングテーマの「シュークリーム・ファンク」という歌の歌詞では、シュークリームを連呼しているのですが、日本語のシュークリームがcream puffであると知らない外国人が聞いたらどんな反応をするのか…と。
英語の字幕付きで観ていたら、cream puffと出ているので靴磨き用クリームだと勘違いはしないと思いますが、「なぜシュー(靴)なの?」って気にならないですかね?
フランス人からしたら、「a la が抜けているよ!」とか「crèmeの発音が違うよ!」って思うのでしょうか?

夫
・・・外国人の反応なんて気にしてどうするの?
『マッシュル-MASHLE-』をご存じない方の為に補足させていただくと、魔法学校で学ぶ主人公のマッシュ・バーンデットの大好物がシュークリームで、作中ではシュークリームを頬張るシーンが数多く出てきます。
私はリアルタイムではアニメを視聴しておらず、自分の好きな時に動画配信サービスで見ているのでエンディングテーマはスキップボタンを押して飛ばすことが多いのですが、「シュークリーム・ファンク」は好きだったので、飛ばさずに見ていました。
女性アイドルグループのフィロソフィーのダンスさんが2023年にリリースした曲です。
気になる方は是非You tubeなどで聴いてみてください♪
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