私たち夫婦は車を運転する際、いつも音楽をかけているのですが、クラシック音楽の『魔法使いの弟子』が流れた時の事です。

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『魔法使いの弟子』の聞き間違い

わたし

あっ、この曲知っているよ!

ディズニー映画『ファンタジア』で使われていたよね?英語の曲名は何だっけ?

It’s called “The Sorcerer’s Apprentice” in English.

わたし

そうそう、『魔法使いの弟子』は英語で”The Sorcerer’s Apprentice”だった! Wizardじゃないんだよね!

What?まほうつかいの・・・だし?

わたし

えっ、魔法使いの出汁?

(魔女窯に出汁が入っているのを想像して爆笑)

私の笑いのツボにはまった「魔法使いのだし」ですが、本記事では魔法使いの弟子英単語の魔法使い(wizard・sorcerer)についてお話しようと思います。

そもそも、ディズニー映画の『ファンタジア』とは?

ディズニー映画『ファンタジア』(原題: Fantasia)を観たことが無くても、青地に星や三日月の形が描かれているデザインの三角帽子をかぶったミッキーマウスを見たことがあるという方は多いのではないでしょうか?

『ファンタジア』はアメリカでは1940年に、日本では1950年に公開されたウォルト・ディズニーの長編アニメーション3作目であり、クラシック音楽とアニメーションの融合を楽しむことができる映画作品です。

この映画内で使用されているクラシック音楽8曲の中で、『ファンタジア』の代名詞とも言えるのは、ミッキーマウスが出演している『魔法使いの弟子』だと思います。


もし、映画を観ていなくてもゲームの『キングダムハーツシリーズ』をプレイしたことがある方は、ミッキーマウスは魔法使いイェン・シッドの弟子だとご存じでしょうが、ポール・デュカス作曲の『魔法使いの弟子』はゲーム内で使用されていないので、もしかしたらピンと来ないかもしれません。

素敵な楽曲なので、ぜひ機会がありましたら、『ファンタジア』をご覧になってみてください。

Sorcerer(ソーサラー)って何? 魔法使いはWizard(ウィザード)だけじゃない?!

話が逸れてしまいましたが、『魔法使いの弟子』に話を戻しますと、この曲のフランス語の原題『L’apprenti sorcier』は、英語で『The Sorcerer’s Apprentice』と言います。

『魔法使い』と聞くと、私は英単語のwizardを真っ先に思い浮かべますが、魔法使い魔術師という意味で使われる英単語はいくつかあります。

Wizard(ウィザード)、sorcerer(ソーサラー)、sorceress(ソーサレス)、enchanter(エンチャンター)、magician(マジシャン)、warlock(ウォーロック/ワーロック)の5つの英単語について、オックスフォード英英辞典では以下のように定義されています。

『Oxford Advanced Learner’s Dictionary』(Oxford University Press)より引用

wizard  noun 1 (in stories) a man with magic powers                        2 a person who is especially good at something 以下略

sorcerer noun (in stories) a man with magic powers, who is helped by evil spirits

sorceress noun (in stories) a woman with magic powers, who is helped by evil spirits

enchanter (in stories) a man who has magic powers that he uses to control people

magician noun 1 a person who can do magic tricks (SYM conjuror)               2 (in stories) a person who has magic powers (SYM sorcerer)

※SYMとはsynonymの略で、同義語という意味です。

warlock: a man who is believed to have magic powers, especially evil ones


Sorcererの説明には、who is helped by evil spirits (悪霊に助けられた=悪霊の力を借りた)と追加されていますね。

「えっ、マスターイェン・シッドって悪霊の力を借りた魔法使いなの!?」

「ということは、悪い魔法使いなの!?」

と、弟子のミッキーの心配をしそうになりますが、アメリカ人の夫に質問してみたところ、辞書とは異なる見解を持っていることがわかりました。


wizard: 杖や道具を使う必要がある魔法使い


sorcerer: 杖や道具を使わなくても魔法が使える人(超人)


『キングダムハーツシリーズ』の中ではどうだったか忘れてしまいましたが、確かに映画『ファンタジア』の中では、イェン・シッドが杖を使うシーンはありません。

日本の辞書ではどう説明されている?

中二病御用達の幻想用語辞典(出版社: 新紀元社)から、ウィザードとソーサラーの説明を引用させていただきます。

ウィザード 

英語で魔術師のこと。特に男性の魔術師の意味で用いられる。本来は「賢い人、賢者ワイズマン」を意味しており、16世紀ごろから魔術師としての意味を持つようになった。同じく魔法を使うソーサラーやウォーロックに比べ、天才や達人の異名など肯定的な意味で用いられることが多い。

ソーサラー 

女性の場合はソーサレスという。英語で悪霊などの力を借りる邪悪な術ソーサリーを用いる魔術師のこと。本来は「くじ占いの名人」程度の意味であったともされる。

幻想用語辞典では、どちらの説明にも魔術師と書いてありますが、辞書によっては魔法使いと魔術師の両方が記載されている場合もあります。

「そもそも日本語の魔法使いと魔術師って何が違うの?」と思ってしまいませんか?

ファンタジー作品(マンガ、小説、ゲームなど)によって定義が異なっている場合も多いので、結局のところ作者による言葉の使い分け次第なんですよね。

(魔法使いや魔術師の他にも、魔導士という言い方がありますよね!)

日本語だけでなく英語でも、ファンタジー作品によってwizard、sorcerer、magician、warlockなどの定義や使われ方が異なることもあるようです。

例えば、アメリカの会社が制作したファンタジー・ロールプレイングゲーム『ダンジョンズ&ドラゴンズ』では、wizard、sorcerer、warlockの3つには以下のような違いがあります。

wizard研究や修行で身につけた魔法使い
sorcerer血筋や才能で呪文が使える魔法使い
warlockこの世ならざる何者かと契約して力を得た魔法使い

魔法や魔術などは現実世界には存在しないものなので、関連する用語の定義をしっかりと決めるのは難しいのでしょう。

逆を考えれば、定義付けが曖昧な分、自由に用語を使うことができて良いのかもしれませんね!

そして、魔力も超人的な力もない凡人の私は、今日も出汁パックや顆粒だしにお世話になるのでした。

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